パリの紙雑貨ショップで見たローカリゼーション

今年(2019年) 1月に出張でパリに行く機会がありました。日本の伝統工芸品のフランス市場輸出における事業性調査が目的です。そこでパリ市内の Adelin Kram という日本の和紙や折り紙を使った紙雑貨のショップを訪問しました。日本の和紙や折り紙、またそれらを使って作られたインテリア雑貨など、おしゃれで素敵な商品で溢れていて、店内のお客さんもほとんどがフランス人(と思われる)方たちでした。

この写真を見て、あれっと思われた方もいるかもしれません。折り紙や和紙の色味が微妙に日本のものと違うんです。少しパステル調の色味だったり、エメラルドグリーンやターコイズブルーなど日本で私たちが目にする折り紙とは少し色調が異なります。お店のスタッフの方のお話では、日本の会社と直接やりとりして独自の色味を出してもらっているとのこと。柄は完全に和柄なのにちょっと色調を変えるだけでイメージが大きく変わりフランスのおしゃれ女子向けにアレンジされた商品になっています。色味にはかなりこだわったそうで、日本の会社と直接交渉して自社の客層に合わせた商品を開発するのは決して簡単ではなかったと思います。

Adelin Kram はこのショップのオーナーの名前で、Adelin さんは物腰の柔らかい素敵な女性でした。彼女のインスタグラムのフォロワー数はなんと18,000人! (2019年1月現在)。こだわりを持った商品展開をすることで多くのファンを魅了するAdelinさん。

また、この出張ではパリ市内のセレクトショップや雑貨ショップをたくさん回りました。そうした中で目についたのが日本のマスキングテープです。キャラクターや幾何学模様など様々なデザインの日本製のマスキングテープがMerci など人気のセレクトショップで売られていました。

現地ショップに並ぶ日本の商品にはフランス市場向けにアレンジされた商品も、日本で販売されている商品のまま手を加えず販売されている商品もどっちもあります。いずれにしても、現地の消費者の嗜好やトレンドに合わせた商品開発(=ローカリゼーション)は大事ですね。たとえ現地に拠点を持たない輸出型の海外展開でも、事業計画策定段階で是非現地を訪問し、街の雰囲気、人の雰囲気、自社の競合商品など目で見て感じていただければと思います。

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